162 芯を守ることと、浄化について

まるで自分の脳が伸び縮みして、その場をすっぽり覆うような感じで、目に見えて感じられる空間すべてが、自分の内部のものかのように感じている。店であれ駅であれ、スーパーであれ。ある空間の中で人や物が多かったり、音がうるさかったりするとき、情報の密度が高くなるが、これが自分の中で起こっていることだとすると、密度が高くなるほどに、自分のキャパシティの隙間がなくなることになる。普段は自分の裁量で自由に使っている部分がおびやかされる。そして、まるで脳が小さくなってしまったように、考えられなくなり、パフォーマンスも落ちる。閉鎖した部屋と比べて、自然の場所に居るときは比較的調子が良いのは、そこには囲いがなく、空間が無限に宇宙に広がっているので、情報がまばらだから。もちろん、人混みや街中は、この限りではない。とにかく、デフォルトの状態で、その場のものを全部、自動的に、とりあえず自分の中に入れている。入れたいものも入れたくないものも、OKしていないものも、拒否できず取り込んでいる。ずっと自分の部屋を、開け放っていて、あらゆる情報が全部入ってきて、荒らされるような感じ。せめて扉をつくって、 中身を守らないといけない。中身を守って、何にも脅かされない、本来の自分に戻すことを、浄化ともいう。「浄化されている」というのは自分の持つリソースを、余すところなく使える状態ということである。本来使えるものを、何かによって、もしくは自分によって、弱らされることなく、使える状態であるということであある。