2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

163 ある星の終わり

その泉は常夜に在って太陽はいつでもみえなかったそれでも月や星たちが夜の中に煌煌と輝くのでその煌めきの激しい日には薄明るい昼のようにも感じられたあの子は毎日ここへ来て湖面のへりでひとり泣いていた彼女の涙のぶんだけで幾らか水が増したようにもみ…

162 芯を守ることと、浄化について

まるで自分の脳が伸び縮みして、その場をすっぽり覆うような感じで、目に見えて感じられる空間すべてが、自分の内部のものかのように感じている。店であれ駅であれ、スーパーであれ。ある空間の中で人や物が多かったり、音がうるさかったりするとき、情報の…

161 極間の遊び場

引き潮、満ち潮のように、目の前にある現実が変わらないとしても、その感覚、体感だけが、毎日、極のあいだをゆらゆらと揺れる。 私のことを例えてみよう。ひとつには、もうこんな生活はとても耐えられない、これではあまりにも苦行に近く、一日でも早くここ…