97 家出少女ノ訳

神さまに怒られる、と思う。こんなことをしていては怒られるのではないか、嫌われるのではないかと。神さまのことが一番好き、神さまのことが一番恐ろしい、神さまのことが一番憎たらしい。ずっと考えている。神さまがどう思うかと。それならば尋ねることもできない。恐ろしくてきけやしない。逃げ出していく。それでもずっと考える。そうやってずっとぐるぐるまわる。たとえば放浪の先で悪いやつに出会い。本当ならば神さまに守ってもらうのに。でも怖くてできない。それでも一番好きなのでしょう。結局忘れられはしない。そういうふうになっている。離れられはしないのだ。
本当に神は見放すだろうか?罰するだろうか?どういうわけで、どんなふうに?一体どこの神ですか?誰ですか?どこだかわからない場所から、どこだかわからない場所へ、放り投げますから、誰かわかってください、どうか教えて下さい。いけないことをしてはいけないと最初に誰が言ったのかを。私が感情的に怒るとき、きっと何かが怖いのです。知られたくないことなどない。もうそんなことはどうでもいい。