31 巡っているもの

この顔は私の真珠。
この髪は私の生きてきたあいだの傍らの川。
どこかから常に差している光があって、この身体は、それを受けて輝く。宝物ばかり。
この血は神々しく鮮やかだ。甘やかだ。なんでかずっとあたたかい。
少しの濁りもすぐにすすがれて、きらきらした粉になって、飛んでいくみたい。飛んでいったあとは私の知らないところで誰かのところに届いたり、なにか集まって新しい物に生まれ変わったりしているみたい。それを知るすべはないし、そんなに気にしてもいないんだけど、忘れた頃にちょっとした報せとして届くときがある。そういうとき、なんだかもっとあたたかくなる気がする。もちろん熱くはないよ。気持ちいいあたたかさ。ただ、このことは私の範疇じゃあないから、深く考えず黙っているのだ。