30 ふつうの朝

おはよう、みんな、
あたしは今日も、目が覚めたときから眠るまで叫んでいます。

代わりのいない人になりたい。
平凡でいたくない!

足りない!
なんでもいいからこう言って。
君じゃなくちゃだめ!
他にはいないって!

まあ、それで、叫び疲れる時もあって、
のどが渇いたことに気づき、水をついで、飲んでいましたが、
なんというか、とりあえず、口をつぐんで、だらりと立って、ぼんやりしてみました。
そうしたら、今、やっと、特別な私に戻って、
なんの装飾がなくても、丸裸だってよくて、満足なのです。
現実的には、なんのことでもいいけれど、私じゃなくたっていいのです。
代わりはいくらでもいるので。誰だってよいのでね。
そのことに気がついて安心したあと、結局みんなが独特だったってことが感じられる。
ふつうに目覚め、ふつうに眠りたいよ。ふつうにさせてよ。私にとってだけふつうに。変なことばかりかき集めることはやめて…。
誰だってよいようなことを今日もやるよ。ごくふつうに。
じぶんが特別になるのは、ふつうにしてるときだけよ。そのときだけ満たされるの。
ふつうに静かに座ってね、にこにこしているよ。