不安なのかな?
もう少し、
もう少しで着地できるはず…。
着地の瞬間が一番おそろしい。
ずっと飛んでいられれば楽ちんなのに。
初めて飛ぶ瞬間と同じように、
降り立つときって大変だ。
豊かさ、は、感じ方の尺度だ。
一文無しでも関係がない。
どんなに金銭をかさ張らせても、心の貧相な人ばかりだ。
まだまだ世界は鮮やかに、色の数が増えて感じられる。
もっともっとフォーカスできるレンズに取り替えたときみたいに…。
近しくなってもいいかな。
もうあちらこちら移動しなくていいよね。
ちょっとそわそわするけど、
ここにいるままで。
ディープな光が降りる。
身体をきちんと巡る。
光は液体のように…。
光は充ちる。
身体の中は、水だ。
余すところがない。
私は水になりたい、と思う。
でも、もう水だ。
水みたいなものだ。
それで、ずっと流れている。
水流の音がきこえる。波の音がきこえる。
ざわざわ、ざわざわと。
そりゃあ、涙も落ちる。
波は砂のようでもある。
砂はよく見たらクリスタルだった。
クリスタルは水の欠片だったんだ。
私は水晶のひみつを知った。