143 手水舎

また汚れてしまいましたと

私は泣いた

 

大きな空色の鳥のような

大天使だ

 

洗いましょうね

 

珠をそっと

とり出した

 

それを

綺麗な水の流れに包み

洗うとき

 

一瞬すべてが遠くなる

 

それは絶望したのに

かすかに似ていて

 

私は怖くなる

 

怖くないよ

怖くないよ

 

天使が笑った

 

なぜなら

ここではすべては遠く

愛になってしまうの

 

鮮やかなものが

包まれて

 

だんだんひとつに

なってしまうのね

 

失われないのよ

 

怖くないよ

 

まだよく分からず

朦朧としたうちに

 

珠は透明に

つるつるになり

 

白く輝く

天使の両手が包み

 

胸のうちに返された