74 深夜覚醒の時間

みんなしんと寝静まった
真夜中に
目が覚めてしまった
今が何時かも分からないけど
明け方が遠いことは分かって
本を読むほどの灯りもないから
ただ、
とりとめのないことを考えた

誰も人が立ち入らないような
展望台のそのまた上に
乗せてもらった
かっちり整列した車が流れていき
蟻粒みたいな人たちは
みんな止まっているようにみえた

私は仲間に入らずに
誰も私に気づかなかった
とりとめのないことを考えた
海の色のこと
新しい言葉のこと
本当の家族のこと
家族はいつから
家族になるのだろう?
お互いの
心がそう呼ぶのだろう?

空想の時間は朝の陽に遮られて
私はまた夢の中に混ざっていく。