23 劇団のこと

うちらの劇団は
とてつもなく優秀だったよ。
みんながみんな、適切な役柄だった。
私の思ったとおりに、私と関わってくれた。
私の思ったとおりに、愛をくれたり、時折くれなかったりした。
すてきな言葉も、傷つく言葉もくれて、
支えたり、叱ったり、遠ざかったり、嫌ったりしてくれた。
そのすべては適切だったよ。
私もまた
上手に役柄を演じられたろうか?
うまく愛せなかったことも
何も言えなかったことも
生きていけるかの瀬戸際も
上手だったろうか?